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奥秩父主脈縦走 with ORCUS24 ~山行編~
2021.01.25

奥秩父主脈縦走 with ORCUS24 ~山行編~

 
寒さも厳しくなってきた所で…
少しでも暖かさを感じていただきたく、満を持して奥秩父主脈縦走 with ORCUS 24  ~山行編~
 
参ります。
 

山行編 1日目 ~瑞牆山から金峰山を経て大弛峠へ~


韮崎駅より発つ瑞牆山荘行きのバスは予想以上に混み合っていた。ギリギリの所で乗り込むと当然椅子には座れず、1時間立ち。こんな時はORCUS24クラスのザックだと取り回しが少し楽なのが唯一の救いか。ただ、バスが進み少しずつ標高が上がるにつれて気分も高まっていく。
瑞牆山荘に着くと、長~い伸びをしてから暫し休憩。ポツポツと登り始める方々を横目に、少し間を置いてから出発。さて、どんな1日になるかな?
標高1500mだけあって既に涼しい(25℃前後)。とは言え登り進めると汗ばむ気候。焦らずゆっくり、一登り終えると目の前に瑞牆山が姿を現す。猛々しい山だ。
ランプの小屋、富士見平小屋を過ぎると、一旦谷へ下る。下りきった沢筋で小休憩。沢は冷たく暫し生気を養う。
ここからは再び登り。少しずつ露岩が増え斜度も増していく。日陰で幾分涼しいが、息を整えながら着実に歩みを進める。
山頂直下の鋸岩。私はクライミング専門外なので、すごいなぁと惚れ惚れしつつ進む。山頂まであと少しだ。
到着。本山行百名山一座目の瑞牆山。
山頂は当然の人だかりだったので、長居はせず先を急ぐ。ここからは少々バリエーションなルートにて、東に八丁平方面に伸びる尾根を辿りショートカット(本来はここが主稜線に値する?)。
険しそうだが、基本的に尾根の左側(北側)を巻くように進むルートだ。
薄っすら踏み跡はあるが、道幅は狭く注意は必要。例の擬似ヒップベルトTIPSを駆使する。ORCUS24は幅も小さくスッキリしているので、無駄な取っ掛かりも少なくバランスも取りやすい。
程なくして八丁平へ繋がる破線ルートに合流。ちょうど良い高さの天然椅子があったのでお昼休憩をはさむ。当然辺りに人はおらず、静かで心も落ち着く。
八丁平を過ぎるとブナの原生林が広がる。道も平坦でお気に入りの場所だ。
メインルート合流前の大日岩北側付近。何気に風が強く、煽られないように重心を低めにプチクライミングで進む。
メインルートに合流すると、再び大きく登り始める。樹林帯を抜けると一気に拓けたハイマツ帯へ。この辺りは奥秩父でも随一の稜線歩きで、アルプス方面を彷彿とさせる。奥にひょっこり金峰山頂が覗く。
山頂前の五丈石へ到着(事実上の山頂)。荘厳な雰囲気漂う、正にご神体そのもの。
少し上がった所に山頂あり。百名山二座目の金峰山。
ここまでくれば幕営地もあと少し。と見せかけて地味に長い稜線歩きと樹林帯歩きが続く。
そうして大弛峠へ到着。車で行ける日本最高標高の峠である。つまり普通に車道が通っている。ここにはテント場有する小屋があり、本日はここで幕営泊。何とか日没前に到着出来た。行動時間は6:30也。
受付を済ますと、Trembler Jacketを着込み、幕営にかかる。今回はタープ泊。タープは張り方のバリエーション豊かで面白い。状況に応じて張り方も変えられる。本日は足元と片側を閉じ、頭側を跳ね上げた広々スタイルにて。
一仕事終え、まったり寝そべっていると通り雨に降られる。少し大きめのタープで奥行きも取れるので、この張り方でも十分雨に対応できる。
暗くなり始めた所で夕食を済ませると、明日も早いので早々に就寝する。心地よい疲れと共に即熟睡したのは言うまでもない。。
 
 

山行編 2日目 ~大弛峠から甲武信ヶ岳を経て笠取小屋へ~


2日目は少々長丁場になるので、少しでも行動時間取れるように早めの3時に起床する。ただ朝はゆっくり派の私は、朝食食べてのんびりしながら撤収し何だかんだ5時から始動、15℃前後でやや肌寒かったのでSkardu Jacketを防風的に着込み出発。先ずは国師ヶ岳に向けての登りだ。
程よく身体が温まってくるとシェルも蒸れてくるので、一先ず登りあがるまで物理的な換気で対応する。フロントダブルスライダーで下から開けたり、フルオープンにしたり。
Skarduは軽く仕上げながらも残すところは残しており、袖はフラップ留めタイプなので、袖口フラットにり大胆に折り曲げて袖を短くして換気してみたり。
そうこうしていると前国師ヶ岳へ到着。日も昇ってきたので、シェルを脱ぎ暫し休憩する。
空気は澄んでおり南アルプスを一望。良い一日になりそうだ。
ここからは少し鞍部に下り緩やかな登りをこなす。温まった身体にちょうど良い道だ。程なくして本体の国師ヶ岳に到着。
前国師からはひょっこりと見えていた富士山がはっきりと姿を現す。もう良い一日だ。
ここからは大きな高低差のない樹林帯の奥深い稜線歩きが続く。地味なルートだが、奥秩父の懐の広さとその醍醐味を感じられる良い道だ。午前中の澄んだ空気の中、朝日を感じながら歩けば悦にも入るわけだ。
標高も高くなり肌寒さは少し残るが、まだ低い位置からの木漏れ日が適度に暖めてくる。太陽は偉大だ。
長い楽園歩きも終わりに差し掛かる頃、場所も時間もちょうど良かったので少し早いお昼休憩。
ここからはまた少しずつ標高を上げる登り。休憩後の身体には少し堪えるが、夏場の長い行程となるとしっかり食事と水分を取らなければ後々響いてくるもの。食事は大体2回に分け、休憩も兼ねてしっかりとるようにしている。
次第に樹林帯は薄れてき、いっきに拓けたガレ道に出る。ここまでくればあと少し。
直射日光を背に、汗を感じながら辿りついたは百名山三座目の甲武信ヶ岳。
良いペースで来れている。やはり細身でブレが少ない軽量ORCUS24の効果は高い。
山頂は直射日光がむしろ痛かったので、直ぐ後にする。少し下れば、この辺りでは貴重な小屋、甲武信小屋へ到着。淹れたての珈琲も飲めるが、まだまだ行程はあるので先を急ぐ。
暫く日陰のトラバース道が続く。徐々に気温も上がってきていたので非常にありがたい。
視界は急に拓け、天国かと見紛う白い砂地が広がる。そこから見下ろす次なる目的地、破風山。
この間の鞍部への下り登りも、痩せた木々に”道”が延びる、また違った奥秩父の一面が垣間見れる。日差しはきついが心は晴れやかになる道だ。
鞍部に下りきると、出るとか出ないとかの噂が絶えない破風避難小屋が鎮座している。何やら人の気配を感じたので覗くのはやめておいた。外のベンチに古~い登山靴と靴下が乾かされていたが、果たして人間のものだったのだろうか…
下りは楽だ。ただ鞍部に下れば当然登りが待ち構えている。いよいよ暑さも増してき、ペースは上がらないが、一歩一歩確実に、急登を攻める。
外から見るよりは地味な山頂の破風山。
再び高低差の少ない稜線に乗った形になり、地味な樹林帯を辿る。ムシムシした気候が続く。
幸か不幸か、薄雲が沸いてきて適度な霧雨と風で涼む。絶妙なタイミング。
気分は軽やかに、日本三大峠の雁坂峠へ到着。かつてはこの峠を越える登山道が国道とされていた歴史的にも重要な峠。こちらのひっそりと佇む道標の方が好み。
陽も隠れ風も心地よかったので、二度目のお昼休憩。地図と睨めっこしながら体を休める。
少しペースは落ちてきているが、無理なく目的地までは辿りつけそうだ。再び奥秩父らしい樹林帯を景観楽しみながら登り下り。
わーっと一気に下りたくなる気持ちは分かるが、そんな元気はないのでジグザグに下る雁峠前。
ここもいろいろと噂の絶えない旧雁峠避難小屋。何となく怖くて近づいた事がない。
分水嶺を横目に整地された小屋への道を進む。慣れた鹿が多く、彼らにとっても楽園なのだろう。
2日目の幕営地、笠取小屋へ到着。今回の核心は無事越えられ一安心。本日の行動時間は11時間也。
 
受付を済ますとすかさず寝床を作る。本日のタープは短辺を入り口にした片屋根跳ね上げ式。意外にも快適なスタイル。
フォルムは足元に向かって少しテーパーさせた掛布団のような形。基本は正に掛布団の様に身体上面をカバーし、背面はマットに委ねる。掛布団故温度調節がしやすく、変な気密性がないので快適。
ちょっと温度域的に寒いかなとなったら、上下両端には左右を繋げられるスナップボタンがついており、ここを繋げる。
そしてその繋がった短辺にはコードが仕込まれており、絞れるので絞り上げる。
そうすると寝袋のようなフォルムに出来、よりダウンを身体に寄せ余計な空間も無くなるので、より保温力が増す。背面は変わらずマットに依存するが、そもそも背面のダウンは潰れてロフトを失いやすいので、いっその事マットに委ねてしまい上面に最大限活かしたダウン量を持ってこようという考えの使い方。上面にほぼ200gのダウンが来るので、上面の保温力としては単純にはダウン量350gクラスの寝袋に匹敵する。
単体使用から他寝袋のブースト用にと、色々と汎用性の高いスリーピングアイテムだ。
 
長い一日を終え、眠い目をこすりながら夕食を食す。明日は少しゆっくりは出来るが、夜更かしをする余地もなく眠りに落ちる。
 
 

山行編 3日目(最終日) ~笠取小屋から禿岩を経て雲取山へ~


いよいよ最終日。
早く眠りについたお陰か、起床も滞りなく3時で、いつも通りのゆっくり5時に出発。辺りはまだほんのり暗がりだが、このくらいからの方が気分も気温も落ち着いており、歩きやすい。
本来主脈を辿るならば笠取山を通過となるが、朝からどうしてもあの急登を登る気にはなれず…トラバースの巻き道で端折る。代わりに多摩川の源流を横目に優雅に涼みながら歩こうではないか。この笠取山南側に流れる沢は多摩川の源泉であり長い距離を経て広大な多摩川へと繋がっていくのだ。
トラバース道とはいえ、土砂崩れや堰堤の上を通る道があり、注意は必要だ。気を抜かずORCUS24のショルダーを締め上げて臨む。
あまり人は通らないのか最後の方は若干藪がうるさかったが、将監峠まで巻き、到着。ここからまた主脈へ合流する。
割とぶっ通しで歩いてきたので、こちらで小休憩。ORCUS24は無駄な収納なくとてもシンプルだが、ちょっとしたものを入れて置けるポケットがショルダー上に配してある。これが地味に収納力があり、
ちょっとした行動食や財布、EDCなどを入れておける便利な収納ポケットとなる。
ここからも稜線を巻いたトラバースが続く。個人的には何となくこの辺りから「奥多摩」ぽい雰囲気になってくるイメージだ。この道なんか特にそんなイメージ。
もくもくとトラバースをこなし、「禿岩」というスポットに到着。こちらはこの界隈では屈指の展望を誇るが、富士は生憎雲の奥…
そして天気予報によると午後から一気に天候が崩れるようなので、少し先を急ぐ。相変わらず稜線を少し巻き気味の道が続く。曇りと日陰が続いているのが救いだ。次第に笹っぽい道も増えてくる。
そうしていよいよ最終地点の直下に差し掛かる。標高差300mを一気に登る急登。この3日間の想いを糧に呼吸を整え1歩ずつひた登る。
少しずつ視界が拓けてくる。あと少しだ。
到着。最終目的地、百名山四座目の雲取山。
〆の地点としてはちょうど良いので、この雲取山をゴールとする。(この後、鳴沢へ下り、ギリギリ下山後の大雨にふられた…)
 
さて肝心のORCUS24だが、まず当然ながら、穴あきや破れ等の故障は全くなく、確実に山行をサポートしてくれた。軽量パックながら210dの厚手の生地を採用しているのは大きい。気兼ねなくガシガシ使える。
パックウェイトを7kg以下に設定したが、この24Lに最大限荷物を収めようとすると自ずとその程度(オーバーしても8kg前後)の重量に納まってくると思う。この重量内で行動する事での身体的負担の少なさは勿論の事、シンプルコンパクトながら、ブレの少ないフォルム、内臓の背面パットのRがまた非常に絶妙で、背中に沿うようにパックを背負う事ができ、効率的に重量を分散出来ていた。
またユーザービリティ(延いては拡張性)の高さにより、各々ユーザーが求める形にカスタム出来る余地が随所に残されている逸品と感じた。
シンプルというのは時としてその用途は限られてしまうと捉えられがちだが、シンプルが故に何事にも染まらない柔軟性を持ち合わせている場合もある。そんな所見を持った。そして背負った時の恰好良さもまた、いわゆる所有欲を満たしてくれる。
様々な点において「Mountain Equipment」の美学を感じずにはいられない。そんなパックであった。
 
本来は日帰りやアタックザックとして、或いは小屋泊や1泊程度の山行に適したパックと言える。ただ今回のように使い方を理解した上で使用すれば、2泊でも3泊でもこなしてくれる、良き相棒となってくれるはず。あなたの新しい相棒の選択肢として、今回の記事が参考になれば幸いだ。
 
 
 
 
やっぱり人知れずひっそりと佇むそれが好きだなぁと、山梨県側の山頂標識を前に、相棒のORCUS24に「ありがとう」を込めた一枚にて締めくくろうと思う。